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内密出産の法整備は国会でどこまで来たか
予期せぬ妊娠をした人が、病院の限られた職員にだけ身元を明かして出産する「内密出産」。熊本市の慈恵病院が2021年に受け入れを始め、国はガイドラインを示したものの、法律はまだありません。国会でだれが取り上げ、政府が何と答えてきたかを、会議録から機械的に集めて並べます。
議員
(最初 2017-05)
集め方:「内密出産」「こうのとりのゆりかご」「赤ちゃんポスト」「匿名出産」を含む発言を、国立国会図書館の国会会議録検索システムから2016年1月1日以降ぶん機械的に集めたものです(愛知の45人に限りません)。立場(質疑・答弁)は発言の冒頭の話者表記から機械的に分けています。要約も賛否の判定もしていません。最終取得 2026-09-18 00:28。
いま、政府は何と答えているか
大臣・副大臣・政務官・政府参考人としての直近の答弁です。語を含む文をそのまま抜いています。答弁は質問への答えなので、「この回の会議録」で質問とあわせて読んでください。
いわゆる内密出産により生まれた子供の出自を知る権利の保障については、令和四年に発出したガイドラインにおいて、医療機関等の対応の在り方をお示ししております。 内密出産について法制化の是非も含めて慎重に議論をするべき課題であると考えてはおりますが、自民党内でも御議論が進められていることも承知しており、我々こども家庭庁、法務省なども含め、関係省庁で連携して対応していくべき課題と考えてございます。
また、いわゆる内密出産により生まれた子供の出自を知る権利の保障につきましては、令和四年に発出したガイドラインにおいて、医療機関等の対応の在り方をお示ししております。 子の出自を知る権利は非常に重要であり、法務省なども含め関係省庁で連携して対応していくべき課題と考えておりますが、内密出産については、法制化の是非も含めて慎重に議論すべき課題であるというふうに考えております。
子の出自を知る権利は、委員御指摘のような内密出産等の場面で問題となってございます。 法務省は、例えば内密出産に関しては、戸籍法や民法という民事基本法制を所管する立場から、戸籍の取扱いや特別養子縁組が問題となる場面について、関係省庁と連携し、必要な協力を行ってまいりました。
直近の質疑
この性被害の時効という意味合いだけではなくて、今、内密出産についても議論進んでおりますけれども、出自を知る権利という意味合いでもやはり二十五歳では足りないと思いますので、御検討よろしくお願いいたします。
法務省として、この戸籍制度を所管する立場から、出自を知る権利の保障に関する戸籍情報の管理の在り方、また、制度的な検討に主体的に私は参画していただかないと、生まれてきた、第三者の卵子、精子の提供者、あるいは内密出産といったところで、子供が、自分がどういったところの戸籍があるのかないのかも含めてでありますが、子供が大きく迷うことになります。
政府は、内密出産ですとか、あと赤ちゃんポストについて、出自を知る権利などの課題も含めて、これは慎重な姿勢を示しております。
会議録に繰り返し出てくる論点
- 内密出産を法律で定めるのか(いまはガイドラインだけ)
- 生まれた子の「出自を知る権利」をどう保障するのか
- 母親の身元情報をどこが保存し、だれが開示するのか
- 内密出産をした人と子どもを、だれが・どの費用で支えるのか
当サイトが会議録を読んで整理した問いです。どの立場が正しいかは判定していません。
年ごとの件数
| 年 | 質疑 | 答弁 | |
|---|---|---|---|
| 2017年 | 20 | 21 | |
| 2018年 | 3 | 0 | |
| 2019年 | 16 | 11 | |
| 2020年 | 4 | 1 | |
| 2021年 | 1 | 0 | |
| 2022年 | 35 | 26 | |
| 2023年 | 1 | 0 | |
| 2024年 | 12 | 9 | |
| 2025年 | 12 | 10 | |
| 2026年 07月まで | 14 | 11 |
最後の年は年の途中までの数字なので、前の年とそのまま比べられません。国会の会期や委員会の開かれ方でも件数は変わります。
だれが国会で取り上げているか
「日数」で並べています。同じ日の質疑で何度言っても1日です。別の日、別の委員会で繰り返し持ち出しているなら、続けて取り組んでいる印になります。名前は会議録の表記のままです。
| 議員 | 会派(会議録の表記) | 日数 | 件数 | 会議の種類 | 最後に触れた日 |
|---|---|---|---|---|---|
| 伊藤孝恵 愛知 参議院 | 国民民主党・新緑風会 | 9 | 38 | 4 | 2026-04-07 |
| 阿部弘樹 衆議院 | 日本維新の会・教育無償化を実現する会 | 7 | 14 | 2 | 2024-04-10 |
| 梅村みずほ 参議院 | 日本維新の会 | 4 | 4 | 3 | 2022-11-18 |
| 岡本充功 衆議院 | 国民民主党・無所属クラブ | 3 | 6 | 1 | 2019-05-24 |
| 池下卓 衆議院 | 日本維新の会・教育無償化を実現する会 | 2 | 6 | 2 | 2024-05-29 |
| 柚木道義 衆議院 | 民進党・無所属クラブ | 2 | 3 | 1 | 2017-06-07 |
| 小林さやか 参議院 | 国民民主党・新緑風会 | 2 | 2 | 2 | 2026-07-10 |
| 玉木雄一郎 衆議院 | 国民民主党・無所属クラブ | 2 | 2 | 1 | 2022-01-20 |
| 小島とも子 参議院 | 立憲民主・社民・無所属 | 1 | 6 | 1 | 2025-11-28 |
| 水戸将史 衆議院 | 民進党・無所属クラブ | 1 | 6 | 1 | 2017-05-31 |
| 薬師寺みちよ 参議院 | 無所属クラブ | 1 | 5 | 1 | 2017-06-13 |
| 井戸まさえ 衆議院 | 国民民主党・無所属クラブ | 1 | 3 | 1 | 2026-04-10 |
| 日野紗里亜 愛知 衆議院 | 国民民主党・無所属クラブ | 1 | 2 | 1 | 2026-04-24 |
| 佐々木りえ 参議院 | 日本維新の会 | 1 | 2 | 1 | 2026-03-18 |
| 安藤じゅん子 衆議院 | 立憲民主党・無所属 | 1 | 2 | 1 | 2025-04-15 |
| 西田実仁 参議院 | 公明党 | 1 | 2 | 1 | 2018-03-20 |
| 自見はなこ 参議院 | 自由民主党・無所属の会 | 1 | 1 | 1 | 2026-05-22 |
| 伊東信久 衆議院 | 日本維新の会 | 1 | 1 | 1 | 2026-04-09 |
| 阿部知子 衆議院 | 立憲民主党・無所属 | 1 | 1 | 1 | 2025-06-10 |
| 猪口幸子 衆議院 | 日本維新の会 | 1 | 1 | 1 | 2025-04-16 |
| 衛藤晟一 参議院 | 自由民主党 | 1 | 1 | 1 | 2023-03-13 |
| 本村伸子 衆議院 | 日本共産党 | 1 | 1 | 1 | 2022-11-09 |
| 漆間譲司 衆議院 | 日本維新の会 | 1 | 1 | 1 | 2022-11-09 |
| 福島みずほ 参議院 | 立憲民主・社民 | 1 | 1 | 1 | 2022-05-17 |
| 仁木博文 衆議院 | 有志の会 | 1 | 1 | 1 | 2022-04-27 |
| 小川敏夫 参議院 | 立憲民主党・民友会・希望の会 | 1 | 1 | 1 | 2019-06-06 |
| 中島克仁 衆議院 | 社会保障を立て直す国民会議 | 1 | 1 | 1 | 2019-05-24 |
| 松平浩一 衆議院 | 立憲民主党・無所属フォーラム | 1 | 1 | 1 | 2019-05-24 |
| 遠山清彦 衆議院 | 公明党 | 1 | 1 | 1 | 2019-05-17 |
| 二之湯武史 参議院 | 自由民主党・国民の声 | 1 | 1 | 1 | 2019-03-27 |
| 井坂信彦 衆議院 | 民進党・無所属クラブ | 1 | 1 | 1 | 2017-05-31 |
参考人として意見を述べた人
委員会に呼ばれて意見を述べた議員ではない人です(会議録の表記のまま)。現場の医療機関や研究者の声はここに出ます。
| 名前 | 肩書(会議録の表記) | 日数 | 件数 | 日付 |
|---|---|---|---|---|
| 山縣文治 | 関西大学人間健康学部人間健康学科教授 | 1 | 2 | 2022-05-11 |
| 井戸まさえ | 民法772条による無戸籍児家族の会代表 | 1 | 1 | 2022-12-06 |
| 蓮田健 | 医療法人聖粒会慈恵病院理事長兼院長 | 1 | 1 | 2022-02-25 |
| 才村眞理 | 帝塚山大学非常勤講師 | 1 | 1 | 2020-12-02 |
| 棚村政行 | 早稲田大学法学学術院教授 | 1 | 1 | 2019-06-04 |
答えた側
大臣・副大臣・政務官・政府参考人として答えた側です。質問する側とは立場が違うので別に出しています。
| 名前 | 役職(最後の答弁時) | 日数 | 件数 |
|---|---|---|---|
| 野村知司 | こども家庭庁長官官房審議官 | 5 | 10 |
| 塩崎恭久 | 厚生労働大臣 | 3 | 9 |
| 後藤茂之 | 厚生労働大臣 | 3 | 8 |
| 黄川田仁志 | 内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・消費者及び食品安全・こども政策・少子化対策・若者活躍・男女共同参画・地方創生・アイヌ施策・共生・共助) | 3 | 5 |
| 三原じゅん子 | 内閣府特命担当大臣(こども政策・少子化対策・若者活躍・男女共同参画・共生・共助) | 3 | 5 |
| 金子修 | 法務省民事局長 | 3 | 5 |
| 葉梨康弘 | 法務大臣 | 3 | 3 |
| 根本匠 | 厚生労働大臣 | 2 | 6 |
| 古川禎久 | 法務大臣 | 2 | 4 |
| 岸田文雄 | 内閣総理大臣 | 2 | 3 |
| 吉田学 | 厚生労働省雇用均等・児童家庭局長 | 2 | 3 |
| 源河真規子 | こども家庭庁長官官房審議官 | 2 | 2 |
| 竹内努 | 法務省民事局長 | 2 | 2 |
| 安倍晋三 | 内閣総理大臣 | 2 | 2 |
| 加藤俊治 | 法務省大臣官房審議官 | 2 | 2 |
| 浜谷浩樹 | 厚生労働省子ども家庭局長 | 1 | 4 |
| 松井信憲 | 法務省民事局長 | 1 | 3 |
| 古屋範子 | 厚生労働副大臣 | 1 | 3 |
| 堂薗幹一郎 | 法務省大臣官房審議官 | 1 | 2 |
| 上野賢一郎 | 厚生労働大臣 | 1 | 1 |
| 平口洋 | 法務大臣 | 1 | 1 |
| 高市早苗 | 内閣総理大臣 | 1 | 1 |
| 齊藤馨 | こども家庭庁支援局長 | 1 | 1 |
| 津島淳 | 内閣府副大臣 | 1 | 1 |
| 友納理緒 | 内閣府大臣政務官 | 1 | 1 |
| 鈴木馨祐 | 法務大臣 | 1 | 1 |
| 小泉龍司 | 法務大臣 | 1 | 1 |
愛知の議員は
愛知の有権者の一票が当落に効く45人のうち、内密出産を国会で取り上げているのは次の議員です。
愛知の45人の発言はことがら「内密出産と特別養子縁組」にまとめています(こちらは2023-01-01以降)。
発言のあゆみ
全部 213 質疑 118 答弁 89 参考人 6 新しい順
先月、「こうのとりのゆりかご」を運営している熊本市の慈恵病院は、予期せぬ妊娠をして匿名での出産を望む母親について、病院にだけ身分を明かすことを条件に出産を受け入れると発表しました。 子供が後に自分の出自を知る権利を病院が独自に保障する、事実上の内密出産です。
赤ちゃんポストに入っていた子供、これは虐待じゃないんで、そもそも実親が分からない、事実上分からないからいないという状態、あるいは、よく一つの例とされるのは、女子高校生のようなまだ年齢が大変若い女性が生活力がないという中で子供を産んでしまったと。
いわゆる内密出産についてお尋ねがありました。 内密出産制度については、例えばドイツにおいて、予期せぬ妊娠をした妊婦が、妊娠相談所での相談後もなお実名を伏せて出産することを希望する場合に医療機関において実名を伏せて出産できることとし、養子縁組につなぐ制度があると承知しています。
最後に、内密出産について伺います。 総理、匿名で出産し、子供は後に出自を知ることができる内密出産について、御所見をお聞かせください。
オープンアドプションということで実親の交流、接触を図る、そういう開かれた養子制度も増えておりまして、事実婚や同性婚と養子縁組とか戸籍制度との関係、匿名出産、出自を知る権利、そういうような中で、法整備というだけではなくて、やはり支援が本当に必要になっています。
赤ちゃんポストに関して通告もしてあったんですが、先ほど岡本委員から質疑もございましたので、割愛させていただきたいと思います。
私は、赤ちゃんポストの抱える課題、先ほど申し上げました。 このような調査研究を踏まえながら、赤ちゃんポストというお話も今委員がおっしゃられましたが、予期せぬ妊娠をした女性に対するさらなる支援に取り組んでまいりたい。
子供を置き去りにすることはあってはならないことですが、「こうのとりのゆりかご」、平成十九年の運用開始以来、百三十人を超える多くの命が救われたという事実を重く受けとめております。 一方で、匿名で子供を預かる窓口、いわゆる赤ちゃんポストについては、子供にとっては、出自がわからない形で預けられ、また、匿名での安易な預け入れや、預け入れを前提とした自宅等での母子ともに危険な出産を助長するおそれがある一方で、預けることによって虐待や死に至るようなケースを救うことができる可能性もあって、これは大変難しい課題だと思います。
一方で、赤ちゃんポストというものができてきて、一部の地域ではこうした受入れも行われています。
ことしの三月の記事なんですけれども、ちょっとだけ読みますと、インターネット赤ちゃんポストの名称で特別養子縁組を仲介する大阪市のNPO法人について、市は、二〇一九年三月の十九日、縁組のあっせん事業を許可しないと決定した、営利を目的にし、子供の実親の生活費を養親希望者に負担させる点などが法に反し、事業を適正に行う能力がないと判断した、そういった記事です。
ことし三月十九日、大阪市内のNPO法人インターネット赤ちゃんポストという組織が、大阪市によって養子あっせん事業を不許可とされる事案がございました。 報道によりますと、このインターネット赤ちゃんポストという名前の団体が不許可になった理由としては、多額の金銭徴収があり、また、NPO法人の代表が株主をしている株式会社と一体で営利事業を行っていることなどが挙げられております。
先日の伊藤孝恵先生の質疑の際に、例えば赤ちゃんポストでありますとか、内密出産制度等々のような、現在の法制度の中で十分に位置付けがなされていない、また日本においてはその法制度の議論すらされていない、しかし、まさにその今目の前で命が消え行くものについて、何とかそれを救い得る、そうした制度について、私は、ややその大臣の答弁について、私も子を持つ父親としてやや物足りない気が率直にいたしました。
内密出産制度というのは様々な課題がありますから、しっかりと調査研究をしていきたいと思います。
では、この内密出産制度について、大臣自ら率先して議論をしていただけるという理解でよろしいんでしょうか。
要は、先ほども申し上げましたが、ドイツの内密出産制度のような制度を我が国で検討するに当たっては、子供の出自を知る権利をどう考えるか、いわゆる棄児が増加するのではないか、多岐にわたる課題があって、そしてその具体的な課題は、今、医療法、医師法あるいは医療保険制度上の課題を申し上げました。
赤ちゃんポストはもちろん根本解決ではありませんので、赤ちゃんポストがない社会がいいに決まっていると私も思います。
一般論として、例えば先ほどドイツの内密出産制度という制度、今様々な外国の事例を調査研究していると思いますが、一般論として、ああいう、そういうものを検討する場合には、子供の出自を知る権利をどう考えるか、いわゆる棄児が増加するのではないかなど、多岐にわたる課題が認識していると考えております。
安倍総理は過去、赤ちゃんポストについて、匿名で子供を置いていけるものをつくるのがいいのか大変抵抗を感じると発言されています。
赤ちゃんポスト、あるいは先ほどドイツの制度等につきまして、現在、調査研究中でございます。
この数字の読み方
この道具の作り方
この問題を歌にしました
名前のない朝(内密出産のうた)
内密出産をテーマに当社が作ったオリジナル曲の PV です(曲: HeartMuLa、映像: MiniMax H3)。会議録の内容とは別のもので、この歌が誰かの立場を代弁するものではありません。 歌詞つきの動画ページで見る